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 家からあふれ、庭からもあふれ、道路まで占拠し始めたごみ、ごみ、ごみ。撤去を求めても、応じてもらえない。そんな「ごみ屋敷」が、高齢化とともに各地に現れています。一方で孤独死する高齢者も少なくありません。どうしたらいいのか、考えてみました。

■東京都足立区生活環境保全課長 祖傳和美さん

 家屋から路上にあふれ出したごみを撤去しても、何年かで元の状態に戻ってしまう。家の中に積み上がったごみには手が出せず、居住者と話そうにも拒まれる。家族の所在も、個人情報だからと同じ役所内でも教えてもらえない。近所の人たちの我慢は、限界をとうに超えている――。

 「ごみ屋敷」の対応に苦慮する自治体はこのような状況におかれています。6年前まで、私が働く東京都足立区も同じでした。変化のきっかけは職員がまとめた提言でした。07年に就任した近藤弥生区長が「おせっかい行政」を掲げたことが、追い風になりました。

 12年に専門の課が新設され、ごみ屋敷への対応が正式な業務になりました。それまでごみ処理は環境部、道路は土木部、ネズミや害虫が出れば衛生部の担当で、連携が十分ではありませんでした。縦割りの弊害がなくなり「たらい回し」の状態も解消されたのです。

 ごみをためこんでしまう人は、何らかの問題を抱えています。貧困や病、セルフネグレクト、家族との確執や地域での孤立。ごみを片づけるだけでなく、問題の元を解決するための居住者支援が大切です。生活保護の申請や介護保険の適用が必要であれば、手続きを手伝います。地域包括支援センターをはじめとする福祉との連携も重要になります。

 13年に「足立区生活環境の保全に関する条例」が施行されたことで、対応にはずみがつきました。全国初となった条例により、戸籍や税の調査が可能になりました。指導や勧告の態勢も整いました。

 条例には審議会に諮りながら命令、代執行できる規定もありますが、そこまで至った例はありません。支援に重点を置いて対応しているからです。調査ができるようになって家族関係などがわかり、解決の糸口が増えました。何よりも居住者と話し合い、信頼関係を作れるよう努力しています。

 これまで169件の苦情を受け…

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