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 日本学術会議の安全保障と学術に関する検討委員会(座長・杉田敦法政大教授)は16日、軍事的な研究に対して慎重な対応が必要とする中間とりまとめ案を大筋で了承した。学術と軍事研究の距離が問われるなか、一定の方向性を初めて打ち出した。2月のシンポジウムでの討議や意見を踏まえ、今春の最終とりまとめに向け調整を進める。

 日本学術会議が過去に2回出している軍事的な研究を禁じる声明について、いずれも過去の大戦に研究者が動員され、政府からの独立性を確保できなかったことへの反省によるものと位置づけた。軍事的な研究に対する科学者らの自己規律は、学問の自由に反することはないとした。

 そのうえで、軍事的な研究は、秘密保持が高度に要求されがちで研究が萎縮するおそれがあると指摘。防衛装備庁による研究助成は「政府による介入の度合いが大きい」として、学術研究として参加することに慎重な対応を求めている。

 一方、意見を出した12人の委員のうち、反対意見は4人で、学術会議の大西隆会長は「自衛権の範囲内での研究は認めるべきである」などと主張した。

 中間とりまとめ案は、今回の議論をふまえて一部修正し、今月中に学術会議のホームページで公開する。(竹石涼子)