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 精神疾患の親がいる子どもへの支援は海外に先行事例があります。日本に求められる取り組みとは――。佛教大学講師の田野中恭子さん(公衆衛生看護学)に聞きました。

 親が精神疾患を患うと育児環境が不安定になり、子どもの日々の暮らしや発達など、様々な影響を与える。欧米では40年ほど前から支援の必要性が認識され、取り組みが進んでいる。

 例えばドイツでは、家族向けのカウンセリングやセラピーが行われ、健康保険が使える。このような子どもたちは「忘れられたリスクグループ」と呼ばれ、「CHIMPSプログラム」で支援する。現在は政府が補助金を出し、全国展開を進めている。

 このプログラムでは、専門職が家族から個別に困りごとや気持ちを聴く。さらに専門職が同席して家族そろって話し合う場を設定。親は自分の病気を子どもに説明し、子どもは自分の気持ちを伝える。家族でコミュニケーションをとって、解決を図るものだ。

 また、家族と生活支援サービスをつなぎ、継続して支援する。病院や児童相談所、行政などがネットワークをつくり、治療を受けていない親の子どもも見つけ出し、ケアにつなげている地域もある。

 英国では「メリデン版訪問家族支援」という心理教育がある。トレーニングを受けた専門職が家庭訪問し、疾患についての情報共有や家族による問題解決などを支援する。

 一方、日本では家族向けの支援が乏しい。例えば、障害者総合支援法に基づく病気の親への家事援助など育児支援につながる制度はあるが、利用者は限られている。学校では授業の準備や生徒指導など膨大な仕事を抱え、医療機関では患者の治療とケアに追われ、子どもまで支援することは難しい。

 今後、日本でもこうした子どもの実態を明らかにし、海外の例も参考にして継続的な支援体制を築く必要がある。それには、精神疾患がある親だけでなく、子どもも含めた家族全体に目を向け、日々の生活や気持ち、発達に寄り添っていくことが大事だ。

 子どもに親の疾患を説明し、「…

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