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 新大統領トランプの就任を祝うため、20日、支持者が全米各地から首都ワシントンに集まった。車で、バスで……。記者は、反エリート意識が強い中西部のラストベルト(さびついた工業地帯)からアパラチア山脈を越え、首都への道のりを、熱心な男女3人の支持者の車に同乗した。

 ■20年ぶりのドレス

 就任式の2日前。オハイオ州トランブル郡は、いつも通り閑散としていた。労働者が多く民主党の地盤だったが、トランプが共和党候補として久しぶりに勝利した地域。同州で栄えた鉄鋼業などが廃れ、失業率が高く、不満や怒りが渦巻いた「トランプ王国」の一つだ。

 「似合ってる?」

 18日午後2時過ぎ。喫茶店の仕事を終えたばかりのデイナ・カズマーク(39)が同郡ジラードの自宅で、新品の黒いパーティードレスを身にまとった。仲間の方を振り向くと、医療関連会社に勤めるレッジーナ・マクマヌス(46)が「ステキよ」と笑顔を返した。

 デイナは郡全体のトランプ陣営をボランティアとして引っ張った。「私にまで招待状が届くなんて」。淡い期待で登録したが、本当に就任式パーティーに招かれるとは思っていなかった。9日、長女(20)に促されて郵便受けをのぞき込むと、ワシントンの消印の封筒が二つ折りになって収まっていた。4人の子が見守る中、震える手で開けると招待状が入っていた。

 ドレスを着るのは、20年以上前の高校のプロム(ダンスパーティー)以来。体形が全く同じ姉が新調し、サプライズでドレスをプレゼントしてくれた。「このドレス、きっと600ドル(約7万円)ぐらいしたはずよ」。気持ちががぜん盛り上がる。

 「さあ出発するぞ。6時間後にはワシントンだ」。デイナと支持グループの共同代表を務めたアレン・バナー(67)が声をかけた。「女性陣のペースに任せたら、明日になっても出発できないからな」。タキシードを新調しただけに就任式が楽しみで仕方ない。

 ■首都へ向けて出発

 午後3時21分。支持者3人と記者を乗せたピックアップトラックのエンジンがうなりを上げた。首都を目指してハンドルを握るのは、建設重機の現役オペレーター、アレンだ。

 アクセルを踏み込み、アパラチア山脈を越える高速道をひたすら進む。

 大失敗にうんざり♪

 自分自身にうんざり♪

 この街にもうんざりだ♪

 デイナが1990年代のヒット曲、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの「メアリー・ジェーンの最後のダンス」を口ずさむ。約4年前、ヘロイン中毒で亡くなった弟(享年33)が大好きだった曲。1歳違いで親友のように一緒だった弟は、中学校の作文で将来に望む大統領に「ドナルド・トランプ」と名前を書いた。テレビ番組で人気だったトランプの大ファンだった。デイナは就任式で弟のイニシャルの入ったネックレスを身につける。

 デイナの歌声に、助手席レッジ…

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