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(22日、卓球全日本選手権・女子決勝 平野美宇4―2石川佳純)

 鮮やかな一撃だった。第1ゲームの開始直後。平野は石川のサーブをフォアハンドの強打で打ち抜いた。「先手を取ろうと思った」。定石では無理に打ちに行かないサーブを狙われた石川は、浮足立った。

 平野の勢いは加速した。得意のバックハンドの強打は両サイドに散らし、フォアのラリー戦でも早い打点から鋭い球を連打。持ち前の安定感に加え、一昨年から師事する中国出身のコーチと取り組んだ筋力トレーニングの成果が出た。

 第5ゲームは8―2から大逆転を許したが、「仕方ない」と開き直った。第6ゲームも、相手の裏をかくラリーの組み立てで、立ち上がりから4連続得点して勝負あり。昨秋、中国スーパーリーグに武者修行して学んだ戦術の組み立て方が、大舞台で生きた。

 リオ五輪は補欠に甘んじた。同学年の伊藤美誠が銅メダルを獲得し、悔しさがこみ上げた。おっとりとしていた平野が変わった。「前は好感度を気にしていたけど、試合に勝つのがスポーツ選手。嫌われても良いんです」とはにかむ。

 技術、精神面とも脱皮し、昨年の決勝で敗れた石川に雪辱。16歳の新女王は、3年後の東京五輪に向けてさらなる飛躍を誓う。(前田大輔)