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 人命救助の現場にドローンなどの新技術を採り入れることで救命確率を大幅に高めようとする実証実験が、九州大伊都キャンパス(福岡市西区)で行われた。ドローンが撮影した画像を救助隊がリアルタイムで共有すると、救助時間は従来の3分の1に短縮されたという。成果は8日に東京都内のシンポジウムで発表される。

 実証実験に取り組むのは、救急医療の革新をめざす専門家や技術者らの団体「救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会」(東京)。あらゆる機器をネットにつなぐ「IoT(モノのインターネット)」を使った新サービス創出をめざす総務省の事業に採択された。

 散歩中などに山林で体調不良になりスマホで119番通報した人を救うため、救助隊が出動するという想定。昨年9月以降、キャンパス内の森林で実験を4度繰り返し、使う技術によって発見・救助までの時間がどう変わるかを調べた。

 スマホから得た大まかな位置情報をもとに、消防指令センターから音声だけで救助隊が指示を受ける従来手法だと、平均36分かかった。一方、ドローンで正確な位置を知ってから指示された場合は平均15分。さらに、救助隊がめがねのように装着する小型ディスプレー機器(スマートグラス)を身に着け、ドローンが撮った画像を見ながら指示に従った場合、平均12分まで短縮した。

 協議会の副理事長で、救急車にタブレット端末を配備して搬送時間を短縮した実績で知られる佐賀県職員の円城寺雄介さんは「まずは今の技術やルールで出来ることをモデルケースにする。技術改良が進めば活用場面も広がる」と話す。(小林舞子)