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 国内の課題と、国境を越えて絡み合う問題。それらを同時に解決していくために国際社会が合意した「ものさし」が、持続可能な開発目標(SDGs)だ。個人の行動も重要な要素。買い物の仕方を考え、働きがいを追求することなどが、目標の達成につながる。

 日本政府がまとめたSDGs達成のための具体的施策には、「子どもの貧困対策の推進」「東日本大震災からの復興」など、国内でもよく耳にする話題が盛り込まれている。

 実は、これこそが、SDGsとこれまでの国際支援の大きな違いの一つだ。

 日々のニュースを見ていると、先進国と途上国の問題が決して切り離されたものではないことを実感させられる。国を追われる難民、米国や欧州で高まる排外主義や孤立主義、干ばつや大洪水といった異常気象――。一見、関係ないように見えても、実はどこかでつながっている。

 だから、途上国を支援するだけでなく、先進国の人たちも自らの足元から暮らしを見直し、課題に取り組もうというのが、SDGsが掲げる理念だ。

 例えば、日本で最近注目を浴びる「働き方改革」も、重要な課題の一つだ。

 ブラック企業や長時間労働が話題となり、働く人たちは疲弊している。その背景にあるのは、グローバル化が進んで競争が激しくなっていることや、海外で安い労働力を使って生産された安い製品が入ってきていることだ。途上国の人たちにとって安全で働きがいのある環境ができることは、【人や国の不平等をなくそう】(目標10)という狙いだけでなく、先進国で【働きがいも経済成長も】(目標8)実現することにつながる。

 日本では、女性活躍がさけばれる一方、妊娠・出産を理由に退職を迫られるなど不当な扱いを受ける「マタハラ」や、育児に積極的な男性が昇進や昇給の機会を奪われたりする「パタハラ」も話題にのぼる。共働きを続けるために不可欠な保育所の待機児童問題も深刻だ。自分が抱える問題についてひとりひとりが声をあげることは、【ジェンダー平等を実現しよう】(目標5)という思いをかなえる一歩になる。

まず、今日の買い物で

 日常生活の中にも、SDGsにつながる動きはたくさんある。短いサイクルで大量に生産されるファストファッションのおかげで、おしゃれな服を安く手に入れることができるようになった。一方で、まだ着られるのに捨てられたり、数回着ただけでたんすの肥やしになったりする服もある。こうした服を作っている国では、大量生産に伴う環境汚染や、働く人たちが酷使されていることも問題になっている。

 そんな生活への疑問は、物にあふれた暮らしを見つめ直す「断捨離」ブームや、環境や持続可能性に配慮した「エシカル(倫理的)消費」への関心の高まりにも表れている。少し高くてもお金を出す消費者が増えれば、企業も変わっていく。【つくる責任、つかう責任】(目標12)が掲げる理念だ。

 すでに多くの企業が、SDGsに向けた取り組みを始めている。資源も人材も、持続可能な仕組みを作らなければ、ビジネスを続けられないということが、見え始めているからだ。

 今日の買い物の仕方を見直すことは、SDGsで未来を変えていくことにつながっている。