[PR]

 タックスヘイブン(租税回避地)対策税制を適用し、約61億円を追徴課税した国税局の課税処分は違法だとして、トヨタ自動車系の大手部品メーカー「デンソー」(本社・愛知県刈谷市)が処分の取り消しを求めた裁判の判決が26日、名古屋地裁であった。市原義孝裁判長は同社の主張を認め、課税処分の取り消しを言い渡した。同社によると、追徴課税の全額が取り消されたという。

 判決などによると、子会社はシンガポールにあり、アジア・オーストラリア地域を統括。域内のグループ会社から配当を得ていた。

 名古屋国税局は、子会社の主な事業が「株式保有」で、海外への所得移転による税逃れを防ぐ「対策税制」が適用されると認定。子会社の所得を本社の所得に算入し、2011年3月期までの2年間で約138億円の申告漏れを指摘。約61億円を追徴課税した。

 一方、同社は「子会社は施設を持ち運営管理をしており、事業実態がある」として、対策税制の適用が除外されるケースだと主張し、争っていた。

 判決は、子会社の業務について「事業活動の内容から、地域統括事業であることは明らかだ」として適用されないケースと判断した。判決について、同社広報部は「当社の主張の正当性が認められた妥当な判断」、同国税局は「関係機関と協議した上で今後の対応を決めたい」とコメントした。

 同社は、同様の指摘を受けた09年3月期までの2年間についても提訴し、14年9月の名古屋地裁判決で勝訴。だが、16年2月の名古屋高裁判決で逆転敗訴し、最高裁に上告している。