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■Re:お答えします

 青森県・大間のマグロに7420万円の値がついたことが話題になっていますが、そのお金は釣り上げた漁師が全て得るのでしょうか。それとも、祝儀としてついた値段なので、その漁師が属する漁協の漁師で分け合うのでしょうか。(岡山県 男性 65歳)

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 クロマグロといえば海のダイヤとも称される高級食材です。特に青森・大間産は、2013年の築地市場の初競りで1億5千万円超の値をつけるほどのブランド力です。そのためか、ほかの魚とは少し違った形で取引されているようです。

 通常、漁師が釣った魚は地元漁港に水揚げされ、近くの市場(産地市場)で競りにかけられます。仲買人は競り落とした魚を消費地の市場に出荷。ここで仲卸業者が買い付け、小売店に卸して消費者の食卓へ、という流れをたどります。

 ですが、初競りで注目された大間産マグロは産地を経ず、いきなり消費地の市場、つまり築地市場に並びます。

 理由として考えられるのは、競り値が乱高下することです。初競りでは12年から6年連続で大間産が最高値を記録していますが、その価格は451万~1億5540万円と幅が大きく、仲買人が産地市場で競り値を予想しながら大金を投じるのはリスクがあります。

 一方、漁師にとっても、仲買人に無難な金額で買われるより、直接、築地に出して「ご祝儀価格」を狙う方がいいのでしょう。ただ、通常なら仲買人が負担する梱包(こんぽう)や輸送など出荷にかかるコストを漁師個人が負うことになります。

 さて、今年1月5日に築地市場であった初競りでは7420万円の値がつきました。ただ、これがそっくりそのまま漁師の懐に入るわけではありません。

 落札した仲卸業者は、競りを開いた築地市場側に代金を支払います。築地市場側は手数料を引き、信用漁業協同組合連合会(信漁連)が管理する漁師名義の口座に現金を振り込みます。漁協側の取り分や箱代、運送費など出荷コストを差し引いた分が、漁師の取り分となります。大間漁協の関係者によると、ざっと8割台後半が漁師の取り分になるそうです。

 かなりの大金になりますが、初競りで最高値を記録した経験がある漁師の一人は「税金でだいぶ持っていかれる」と言います。経営規模などにもよりますが、税金を払い、最終的に手元に残るのは落札額の6、7割くらいになるようです。(中野浩至、隈元信一)