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 中国料理などに使われるキクラゲの栽培が昨年12月、鳥取県智頭町新見の旧富沢小学校で始まった。給食室などの跡地に建てた栽培施設「キクラゲハウス」で28日、開所式があり、鳥取市出身で国産食材にこだわる長崎ちゃんぽんのリンガーハット(東京)の米浜和英会長兼最高経営責任者(73)も出席した。

 ハウスは平屋約180平方メートルで町が約2千万円を支援した。屋内の棚にはぬかとおがくずなどを滅菌後、キクラゲの菌を植えてポリ袋で包んだ菌床が並ぶ。室温は24度程度で、成長して袋の切れ目から出たキクラゲが収穫されるという。

 事業主体は、地元で夏祭りの開催など地域づくり活動に取り組む富沢地区振興協議会。地域の産業に育て活動資金源にするのがねらい。2月上旬ごろまでに初出荷する見込みで、地区内から従業員2人を雇用する予定。年間1100万円の売り上げを見込んでいる。

 菌床の供給や技術指導は地元で暮らし、障害者就労支援事業の一つとして鳥取市でキクラゲ栽培に取り組む河村雄太さん(30)があたる。「春からは、地元の智頭杉のおがくずも菌床に使っていく予定」と地元での事業展開を喜ぶ。

 リンガーハット広報チームによると、キクラゲは北海道から九州までの国内16産地で調達している。鳥取県は約2割を占める主要産地で、キクラゲの独自栽培技術を開発した日本きのこセンター(鳥取市)が八頭町の生産組合や、岩美町、鳥取市のきのこ栽培会社などに委託して生産し、リンガーハットに納めている。今年は本格的な増産に取り組む。ハウスは新たに生産の一翼を担うという。

 開所式では、富沢地区振興協議会の小屋本好幸会長(66)が「富沢地区といえばキクラゲと言われるよう、一丸となって取り組みたい」とあいさつ。米浜会長は高校の同級生だった寺谷誠一郎町長らとテープカットをし、取材に「廃校のこういう使い方ができるのはいいと思う」と述べた。(斉藤智子)