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 沖縄をめぐり、まことしやかに語られる「話」は本当なのか。沖縄の大学教授やジャーナリストらが「冷静に考えてほしい」と、一つ一つに反論した冊子を作った。4万5千部が発行され、さらに5万部まで増刷する。

 冊子は「それってどうなの? 沖縄の基地の話。」(56ページ)。沖縄国際大の佐藤学教授(政治学)や琉球大の島袋純教授(政治学)、ジャーナリストの屋良朝博さんら9人が執筆者となり「沖縄米軍基地問題検証プロジェクト」として編集・発行した。

 佐藤教授は、県内外での講演で話すために「うわさ」を打ち消す資料を自分で作っていた。そんなとき、スペイン・バルセロナ市が、移民に関する否定的なうわさを打ち消す「反うわさ戦略」に取り組んでいることを知った。「沖縄でもこういうことが必要だ」と感じ、友人・知人らに呼びかけ、執筆陣が集まった。沖縄にまつわる「話」はフェイスブックで呼びかけて集めた。

 東京都の武蔵野市議会が2015年9月、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画について「新基地建設強行は地方自治の侵害」などとする意見書を可決。これに対し「座り込み抗議をしているのはプロ活動家」などと主張し意見書撤回を求める請願(不採択)が出されるといった動きも表面化した時期だった。

 冊子は、手軽に買えるよう値段を1冊100円にしただけでなく、より広まってほしいとネット上でも公開することにし、映画監督の宮崎駿さんらが共同代表を務め、普天間飛行場の移設反対運動を支援する「辺野古基金」から235万円の助成を受けた。

 昨年3月末にでき、冒頭には「事実が、インターネット上のデマとしか言えない『うわさ』に圧倒される状況があり、事実と数字で『違う』と主張してこなかったことが今の状況を生み出したと反省している」と書いた。冊子で反論した「話」は56に上り、回答には筆者名も明記した。

 取り上げた話と、それに対する反論の要旨は次の通り。

 ●米国が要求する通り、辺野古に基地を移転しないと普天間が返還できない

 日本政府が辺野古以外の選択肢を真剣に検討していないから、米国も辺野古と言っているだけ。新基地の建設費は1兆円に上るとみられている。それだけの金があれば、米政府が受け入れる代替策は数多く考えられる。日本国内に地上戦闘部隊の訓練場も込みで移設する適地は何カ所もある。国外なら、飛行場と地上戦闘訓練場を造る土地など、広大な米国本土にはいくらでもある。

 ●宜野湾市の米軍普天間飛行場が名護市辺野古へ移設されれば、基地負担は格段に軽減される

 「負担」をどう測るかだ。沖縄の中だけで基地を動かしても、全国に占める米軍集中の割合、沖縄に押しつけられている負担は変わらない。引き続き騒音や事件事故は無くならないだろう。「普天間の危険除去だ。辺野古には絶滅危惧種のジュゴンが生息するが心配することはない。反対するなら沖縄が代替案を出せ」。これが政府の負担軽減策だ。

 ●尖閣有事の際は在沖海兵隊がただちに出動してくれる

 海兵隊が沖縄から戦地に向かうには、米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)配属の強襲揚陸艦(ヘリ空母)に、オスプレイと地上戦闘部隊を搭載する。佐世保から沖縄までは船で1日かかる。ただちに出動できない。また、オスプレイは機体がヤワで、戦火が飛び交う戦場では使えない。尖閣の小島に海兵隊を運んでも、射撃の餌食になるだけ。

 ●沖縄に米軍がいなくなると中国の脅威にさらされる

 沖縄が反対しているのは、米海兵隊普天間航空基地の代替新基地を辺野古につくる計画。辺野古につくられなくとも、極東最大と言われる米空軍嘉手納基地は存続する。中国は、海兵隊が即応戦闘部隊でないことは承知しており、海兵隊が沖縄にいるかどうかは、中国の軍事戦略にほとんど影響ない。中国が軍事的に恐れるのは嘉手納だ。

 ●沖縄の経済は基地に依存している

 基地経済への依存度は、本土復帰の年の15%から15年ほどで5%程度に減った。その後も5%前後で推移してきたが、これは観光収入の約半分で、県経済に与える影響は小さいと言える。

 ●基地の地主は国から毎年膨大な金をもらって、六本木ヒルズに住んでいる

 政府が2015年7月10日に閣議決定した情報によると、14年度末で普天間飛行場の地主は3897人、年間地料は72億7373万3110円。100万円未満の地料を受け取る地主は2056人で全体の52・8%。100万円以上200万円未満は821人で21・1%。大半(73・8%)は200万円未満と分かる。

 1千万円以上は81人で2・1%いるが、その中に六本木ヒルズに住んでいる人がいるかどうかは分からない。

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