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 東京電力福島第一原発から約3キロ離れた福島県双葉町の装飾横穴「清戸迫横穴(きよとさくおうけつ)」(国史跡、7世紀)で9日、東北大学が町の協力を得て、3次元計測を実施した。帰還困難区域にあるため、万が一に備え、横穴の形や内部の装飾などの正確なデータを保管することになった。

 横穴の壁に赤い顔料で渦巻文(うずまきもん)や動物、馬に乗った人物などが描かれ、東北地方を代表する装飾横穴として知られる。東日本大震災の被害は免れたが、電気が止まっているため、温湿度測定装置からのデータ送信は途絶えたまま。蓄積したデータは半年に1度、取り出して確認されている。横穴を保護する建物も傷みが目立つが、大規模な補修などは行えないままだ。

 この日、東北大学総合学術博物館の藤沢敦教授(考古学)や測量を担当する会社のスタッフがカビの胞子などの侵入を防ぐ防護服に身を包み、3次元スキャナーで計測した。東日本大震災以降、メディアが横穴に入るのは2度目。壁画の表面の一部には土中の鉱物が白く結晶化し、天井から木の根が垂れ下がっていた。

 藤沢教授は「貴重な文化財なので、ともかく正確なデータを取っておきたい。いずれバーチャル展示ができれば」と話した。(編集委員・宮代栄一