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 恐喝罪で実刑確定後も持病を理由に刑の執行が停止されていた暴力団組長をめぐり、京都府警は14日、大阪高検が服役の可否を判断する際に京都府立医科大付属病院の吉村了勇(のりお)院長(64)らが虚偽の診断書や意見書を作った疑いがあるとして、同病院と同医科大を虚偽公文書作成などの容疑で家宅捜索を始めた。同大学の吉川敏一学長の学長室や自宅なども捜索する方針で、組織的な関与がないか調べる。

 刑の執行が停止されていた山口組系暴力団組長の高山義友希(よしゆき)元被告(60)=京都市左京区=は14日朝、大阪高検の出頭要請に応じ、大阪刑務所に収容された。山口組ナンバー2の高山清司受刑者(69)=服役中=らと共謀し、京都市の土木建築業者から金銭を脅し取った恐喝事件などで、2010年に逮捕され、15年6月に実刑が確定していた。

 捜査関係者によると、高山元被告は刑事裁判の係争中に持病の腎臓病を悪化させ、同病院で14年に生体腎移植の手術を受けた。その後、この手術を執刀した吉村院長や担当医が、元被告の容体について重症化の恐れや経過観察の必要性を指摘し、「拘禁に耐えられない」とする診断書や意見書を作成。15年8月に大阪高検に提出されたという。

 意見書などには、手術後に免疫抑制剤を服用していたため、ウイルスによる腎炎を発症したと説明されていたという。このため、大阪高検は昨年2月、刑事訴訟法などを踏まえて健康上の理由から高山元被告の刑の執行停止を決め、刑務所への収容を見送っていた。

 しかし、その後の京都府警の捜査で、当時の診断記録や他の複数の医師の意見などを踏まえ、元被告は15年夏以降、収容に耐えられる健康状態だった疑いが強まった。府警は元被告の診療歴や診断書作成の経緯を調べる必要があるとして、病院や大学などの捜索に入った。吉川学長や吉村院長の自宅なども捜索する方針だ。

 診断書を作成した担当医は昨年10月、府警の任意聴取に対し、高山元被告の容体について「自分は服役は可能だと思った」と述べ、「院長から『拘禁に耐えられない』と書くよう指示された」とも説明。ただ、その後の聴取には「うそは書いていない」などと否定しているという。

 一方、吉村院長は14日朝、報道陣から「担当医に指示して虚偽の報告書を書かせたのか」と問われると、「そんなことはない」と否定した。