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 何かを学んだ直後に別の学習をすると、前に学んだことを忘れがちになる。だが、忘れないように繰り返し学習すると、別の学習に妨げられずに学習効果を維持できることがわかった。米ブラウン大の渡辺武郎教授らの研究グループが専門誌ネイチャーニューロサイエンス電子版に発表した。

 研究グループは、実験協力者に画像を見て模様を識別してもらった。繰り返すと正答率が上がった。だが、学習効果が得られた後に別の新しい画像の識別学習をすると、新しい課題の学習効果は上がるが、前の課題の学習効果は維持できなかった。

 一方、獲得した知識や技術を、さらに繰り返して学ぶ「過剰学習」をすると学習効果は維持できたものの、新しい課題の学習効果が上がらなかった。この時の脳の働きを磁気共鳴画像装置(MRI)で調べた。学習で使われる脳の領域は興奮して、新しいことを覚えやすい状態になるが、過剰学習直後は逆に抑制され、新しいことが覚えにくい状態になるとわかった。

 これまで「過剰学習」にどのような意味があるのかよくわかっていなかった。渡辺さんは「楽器の演奏や武道などで、身についたと思ってもさらに練習を続けた方がいいと言われる理由が科学的にわかった。学習直後の記憶は不安定で壊れやすいが、繰り返し学習することで素早く固定される」と話している。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(瀬川茂子)