[PR]

 約7年前の逮捕歴などの記事がインターネット上に掲載され続けるのは人格権などの侵害にあたるとして、東京都内の男性がヤフーや米通信社ブルームバーグなど4社に記事の削除などを求めた訴訟で、東京地裁(吉村真幸裁判長)は15日、「記事の掲載が7~8年で違法となれば、表現の自由を萎縮させかねない」として、男性の請求を棄却した。

 判決によると、男性はインサイダー取引をした疑いで2009年に逮捕され、10年に執行猶予付きの有罪判決を受け、確定した。4社のニュースサイトなどには、男性の逮捕などについての記事が実名で掲載されていた。

 判決は、刑事事件としての重大性や男性の社会的地位、事件の注目度などを考慮。いずれも実名で報じる意義を認め、「社会の耳目を集め、社会的な意義もある刑事事件が風化するには相当の期間が必要。男性の逮捕や起訴はいまなお公共の利害に関する事実といえる」と指摘。男性が前科を公表される不利益と比較し、記事を掲載し続けることは現時点では違法とはいえないと判断した。(塩入彩)