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 北朝鮮の故金正日(キムジョンイル)総書記の長男、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件でマレーシア警察は16日、殺害に関与した疑いで新たにインドネシア旅券を持つ女(25)を逮捕した。逮捕は2人目。マレーシアのザヒド・ハミディ副首相兼内相は遺体が正男氏だと確認し、現地の北朝鮮大使館を通じて近親者に返還する意向を示した。

 逮捕されたのはシティ・アイシャ容疑者。インドネシア外務省は16日、「女はインドネシア人だ」と発表した。交際相手のマレーシア人の男(26)も犯行を幇助(ほうじょ)した疑いで拘束されたが、実行グループには加わっていないとみられる。

 アイシャ容疑者は、現場の空港で正男氏に近づいた実行犯の1人とみられる。マレーシアの中華系紙「中国報」(電子版)によると、アイシャ容疑者は警察に、見知らぬ男から「いたずらビデオ」への出演を100ドル(約1万1千円)で持ちかけられたと供述したという。警察は犯行にはこの男を含め、他に少なくとも2人以上が関与しているとみている。

 事件では北朝鮮工作員の関与が疑われているが、15日に最初に逮捕されたドアン・ティ・フォン容疑者(28)はベトナム旅券を保有。マレーシアの中華系紙「東方日報」によると、警察に「自分は旅行者で、(正男氏に)いたずら目的でスプレーを吹きかけたが、殺す意図はなかった」と供述した。当局は15日に司法解剖をしたが、死因は明らかになっていない。

 殺された男性が持っていた旅券の名前は「キム・チョル」だったが、ザヒド氏は、北朝鮮に照会したところ、この人物は正男氏と回答があったと説明した。

 ザヒド氏は北朝鮮との二国間協定に基づき、近親者から外交ルートを通じて公式に要請があれば、司法解剖の分析結果が出た後、引き渡す方針も示した。ただ、遺体の行き先が北朝鮮なのか、正男氏の家族がいるマカオなのかは言及しなかった。警察幹部は朝日新聞に「北朝鮮側から非公式の強い要請があったが、公式要請はない」とも話した。(クアラルンプール=都留悦史、古谷祐伸)

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