「別れの一本杉」「王将」「矢切の渡し」など多くのヒット曲を生んだ作曲家の船村徹(ふなむら・とおる、本名福田博郎=ふくだ・ひろお)さんが16日、死去した。84歳だった。

 32年、栃木県塩谷町生まれ。親友だった作詞家の高野公男さんとコンビで作った「別れの一本杉」(春日八郎)が55年に大ヒット。以来、涙や故郷、別離を歌に込め、大衆の心をつかんできた。

 コロムビア専属時代の代表曲は「東京だョおっ母さん」(島倉千代子)、「王将」(村田英雄)、「矢切の渡し」(ちあきなおみ他)など。78年にフリーになってからも「風雪ながれ旅」(北島三郎)や「兄弟船」(鳥羽一郎)、「みだれ髪」(美空ひばり)などを手がけ、作品は計4千曲を超す。

 門下生も多く、歌手の北島三郎さん、鳥羽一郎さんのほか、作曲家の三木たかしさんらが師事。「演歌巡礼」と銘打ち、自らもギターを抱えて全国を回り、ナイトクラブや刑務所で歌った。日本作曲家協会理事長、日本音楽著作権協会会長などを務め、03年に旭日中綬章を受章。昨年、歌謡界で初めて文化勲章を受章した。