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 相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で昨年7月、入所者ら46人が殺傷された事件で、園の元職員・植松聖(さとし)容疑者(27)を精神鑑定した結果、完全な刑事責任能力を問える内容だったことが関係者への取材でわかった。パーソナリティー障害と診断されたという。横浜地検は勾留期限の24日にも入所者19人への殺人罪などで起訴する方向で、上級庁と協議をしている模様だ。

 刑事責任能力は、善悪を判断し、行動を制御する能力。植松容疑者は事件前、「障害者総勢470名を抹殺できる」などと記した衆院議長宛ての手紙を出していた。事件後の行動について、「抹殺した後は自首」「心神喪失による無罪」などと計画性がうかがえる記述もしていた。事件前日には事件で使用したハンマーや結束バンドを購入。園に侵入後は、施設内のパソコンで体の大きい男性職員が当直に就いていないか確認していた。

 神奈川県警による逮捕後、「意思疎通のできない人は不幸しかつくれない」「障害者を殺害したのは日本のため」などと独善的な供述をしていた。

 専門医などによると、パーソナリティー障害は考え方や感情などが偏っている状態をいう。刑事責任能力を減じる精神病や意識障害とは区別される場合が多い。

 地検は昨年9月21日から、精神鑑定のための留置を実施。当初は1月23日までの予定だったが、今月20日まで延長し、刑事責任能力の有無を慎重に見極めてきた。その結果、社会的な評価は別として、事件を起こした動機が植松容疑者の中では一貫した論理になっていると判断したとみられる。(古田寛也、伊藤和也)