■小さないのち 道に潜む危険

 東京都多摩市の幹線道路にある交差点。小学2年生だった楠田真花(まなか)さん(当時8)は信号が切り替わったのを見て声をあげた。

 「お母さん、青だよ」

 2015年3月の夕方、スイミングスクールからの帰り道だった。母親(44)は2歳年下の妹とそれぞれの自転車で横断歩道を渡り始めた。その少し後を、真花さんがミントグリーンの自転車で追っていた。

 母親の背後で衝突音が聞こえた。振り返ると、大型トラックが横断歩道の上に止まり、車体の下で自転車がひしゃげていた。真花さんは亡くなった。

 トラックの運転手は交差点を左に曲がろうとした際に確認を怠ったとされ、禁錮2年執行猶予5年の判決を言い渡された。

 父親の寿和さん(44)は病院の霊安室で真花さんの遺体に付き添い、一晩を明かした。将来の夢はデザイナーで、絵が得意だった。活発な性格でもあり、硬式テニスなどのスポーツも頑張っていた。

 寿和さん自身、高校生のころに青信号の横断歩道で車にはねられそうになったことがある。子どもたちには信号を守るように言い聞かせてきた。「青信号になったから渡っていいよ、とはもう言えません」

 実は、真花さんが亡くなった交…

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