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 「不良な子孫の出生を防止する」ことを目的とした旧優生保護法(1948~96年)のもと、遺伝性疾患やハンセン病、精神障害などを理由に行われた不妊手術(優生手術)と中絶について、日本弁護士連合会は22日、被害者への謝罪や補償を求める意見書をまとめ、厚生労働省に提出した。

 意見書によると、被害者は強制的な不妊手術による約1万6500人を含め、計8万3963人にのぼる。意見書は、優生思想に基づくこれらの不妊手術と中絶は、被害者の自己決定権や「性と生殖に関する健康・権利」を侵害したと指摘。資料の保全と実態調査も求めた。

 厚労省母子保健課は「当時の法律にのっとって適切に行われた手術などに対し、謝罪や補償を行う予定はない」と話した。

 この問題では、優生保護法のもとで知らないうちに不妊手術を受けさせられたとして、宮城県の女性(70)が15年6月、日弁連に人権救済を申し立てている。女性を支援してきた市民団体は「被害者への謝罪を通して、優生思想や差別をただす努力をしてください」との声明を出した。

 昨年3月には国連女子差別撤廃委員会が、強制的な不妊手術の被害者への補償などを日本政府に勧告している。(田中陽子)