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 3月8日は国際女性デー。俳優の桐谷健太さんは自身の経験から、「目の前のことを遊び心を持って全力でやって」と語ります。

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 37年間生きてきた者として言えるのは、目の前のことを遊び心を持って全力でやれば、何かにつながったり、想像もしないような未来に出合えたりするかもしれない、ということ。

 楽しいことも苦しいこともあるだろうけど、「今日の空は明日にはない」。そう思って、毎日をかみしめながら生きていけたら、すごくすてきだと思うんですよね。

 5歳くらいからずっと役者になりたいと思っていました。なのに、すごくシャイで緊張しいで。保育園の劇でライオンの役をやった時、長いたてがみで顔を隠すくらい。人を笑かして目立つのがめっちゃ好きやのに、同じくらい人前に立つことへの恐怖を感じてたんですよね。

 あきらめようとしてもあきらめられない夢。だから、20代の頃は「名前売ったる」「目立ったる」って、がむしゃらでした。毎晩飲んで、役をプライベートまで引きずって、それが男らしくてかっこええんやって。でも、傷つくのを恐れて心を固くしてたら、楽しさをまったく感じなくなってしまった。

 だったら、たとえ傷ついても心をぱかっと開いて「まんまの自分」でいた方がいい、小さなことでも喜びとか悲しみを感じられる方が幸せや、って気づいたんです。

 今は、目標を作らないようにしています。「この的に当てるんや」とそれだけ必死にやってると、外したら失敗と感じ、他の的に偶然当たってもそれを喜べない。そこが人生のおもしろいとこやったりするのに。それに、目標を決めてしまうと、それが自分の一番上にあるものだと思い込んじゃう。ほんまはそれ以上行ける実力があるかもしれないのに、限界を決めてしまうような気がして。

 うまくやろうとか褒められようとか考えず、今あるものを愛して全力でやる。そうしたら、自然と次につながったり、予想もしないような話が来たりするようになりました。

 「海の声」も、趣味で始めた三線がきっかけで、「(CMの役の)浦ちゃんに浜辺で歌ってもらいたい」ってなって。大切なものを思いながら、とにかく思いっきり気持ちよく歌おう、だれかの心に届けたいという思いで歌いました。まさか浦島太郎の役をやるとは思ってなかったし、まさか紅白に出るなんて思わなかったし。目標に掲げてなかったから、欲がなかったから、透明な気持ちでやれたんだと思います。

 明るくて元気で熱くて、というイメージがあると思うんですが、当たり前やけどほんまはいろんな面もあるし、「男だからこうあるべき」「女だからこうあるべき」みないな決めつけも自分の中にない。

 公開中の映画「彼らが本気で編むときは、」で、トランスジェンダーの女性の恋人役をやってるんですが、もともとトランスジェンダーやゲイの人が周りにたくさんいて。役が決まってから、仲のいいトランスジェンダーの友だちに電話して、話を聞きました。

 気づけたのは、人を愛する気持ち、そばで支えてくれる人がいるだけで幸せという気持ちは、役も自分も何ら変わらないんだな、と。そこが演じる上で核になりました。

 子どもの頃に感じていた緊張感は、きっと今もある。でもそれを凌駕(りょうが)するくらいの努力だったり、確信だったり、直感で動くことだったり、緊張を乗り越えたところに何かがあるということを見つけられた経験だったり。そういう経験を重ねて強くなっていった部分があると思います。(聞き手・杉山麻里子)

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 きりたに・けんた 1980年大阪府生まれ。2002年に俳優としてデビューし、ドラマ「ROOKIES」で注目される。15年から始まったauのCM「三太郎シリーズ」の浦島太郎役で人気を集め、CMオリジナル曲「海の声」はミリオンセールスに。2月25日公開の映画「彼らが本気で編むときは、」でトランスジェンダー女性の恋人役を演じている。

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