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■公会堂の完成前に逝く

 大阪・船場の中央を南北に貫く「三休橋筋(さんきゅうばしすじ)」にたたずむ日本基督教団浪花教会。そこから北の方角を見ると、赤れんがの建物が目に入る。国重要文化財の「大阪市中央公会堂」だ。

 土佐堀川をはさんで北側にあり、「中之島の公会堂」として親しまれてきた。株仲買人の岩本栄之助が大阪市に寄付した100万円をもとにして、1918(大正7)年に完成した。

 岩本は寄付をしたあと、第1次世界大戦後の株価の大変動で大損した。「寄付したお金の一部を借りたらどうか」。そんな周囲の勧めを固辞した岩本。39歳で拳銃自殺し、公会堂の完成前に逝った。

 その秋を またでちりゆく 紅葉哉(かな)

 岩本の辞世の句にちなんだ本「またで散りゆく―岩本栄之助と中央公会堂」が昨秋、出版された。書いたのは詩人で郷土史家の故・伊勢田史郎さん。

 公会堂の建て替えが検討された70年代、保存運動が起きた。伊勢田さんは89年、岩本の志を書きとどめるため、その生涯を描いた「またで散りゆく」を朝日新聞に連載。2015年に86歳で亡くなったあと、大阪の出版人が本にまとめたのだった。

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