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 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件で、現場となったマレーシアでの正男氏の生前の様子が所持品や目撃証言から浮かび上がってきた。警察は正男氏の足取りを調べ、マレーシアが現場に選ばれた理由の解明を進めている。

 正男氏は2月13日、クアラルンプール国際空港の出発ロビーで女2人に毒物を塗られ、殺害された。所持品は、違う名前の外交官用旅券や携帯電話、黒いリュックなど限られていた。

 警察はリュックの中身に注目した。薬が大量に入っていた。正男氏の診療記録は見つかっておらず、薬が生前の健康状態を知るヒントになった。遺体の解剖に関わる保健省筋は「正男氏は糖尿病や高血圧などの生活習慣病に苦しみ、心機能も弱かった。薬が欠かせなかったようだ」と話す。正男氏の父、故金正日(キムジョンイル)総書記も長く心臓病を患い、2011年に急性心筋梗塞(こうそく)で死去したとされる。性機能を改善する薬やホルモンバランスを整える薬もあった。

 マレーシアは北朝鮮人がビザなしで入れる数少ない国の一つで、正男氏は頻繁に訪ねていたようだ。地元タクシー運転手は、クアラルンプール中心部のナイトクラブで正男氏の姿を見かけた。南国風のバーに東南アジア各国の女性が集い、男性客が連夜、列を作る場所だ。店員の一人は「1日に数百人が出入りする。彼(正男氏)のことは知っているが、一般の客と変わらない存在だ」と語った。

 警護付きで出歩く夜もあった。…

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