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 マレーシアにある北朝鮮の偵察機関のフロント企業「グローバル・コミュニケーションズ社」があったとみられる場所を27日、記者が訪ねた。クアラルンプール西部にあるインド系住民の街、「リトルインディア」。モノレールの駅に近い5階建ての雑居ビルに事務所を構えていたとされるが、看板はなく静まりかえっていた。

 付近の住民によると、この事務所には2年ほど前には朝鮮系らしき男女が出入りし、頻繁に人が入れ替わっていたという。

 ロイター通信が報じた国連安全保障理事会の専門家パネルがまとめた報告書によると、同社は、中国からアフリカのエリトリアに発送された北朝鮮の軍事通信機器の交易に関係していた。北朝鮮は2006年以降に採択された一連の安保理決議で武器や関連物資の輸出を禁じられている。

 北朝鮮側と取引する貿易関係者によると、北朝鮮と1973年に国交を樹立し、ビザ(査証)なし渡航が可能なマレーシアには複数の北朝鮮企業が進出。鉱産資源など貿易や北朝鮮労働者の派遣、IT関連など様々な業務を行っている。

 だが、「裏」の顔もあるようだ。この関係者は、「資金洗浄(マネーロンダリング)やサイバー犯罪などを請け負っている企業もある」と明かした。(クアラルンプール=平賀拓哉)