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 埼玉県内の山で遭難した登山者を同県の防災ヘリコプターが救助した場合、遭難者から「手数料」として約5万円を徴収する条例改正案が2日、県議会に提出された。可決は確実で、公的な防災ヘリによる山岳救助が有料化されるのは全国初となる。

 条例改正案によると、手数料はヘリが1時間飛行した場合の燃料費に相当する5万円程度を想定。2018年1月1日の施行を目指す。県議会で単独過半数を占める自民党県議団が議員提案。27日の本会議で可決、成立する見通しだ。

 総務省消防庁によると、登山人気の高まりで、防災ヘリの山岳救助出動件数は15年が1345件と11年の約1・5倍に増えた。自民県議団幹部は「大きな危険を伴う山岳救助には、受益者負担の観点から遭難者に一定の負担を求めるべきだ。無謀な登山の減少にもつながる」と話す。

 有料化を巡っては長野県でも04年、当時の田中康夫知事が検討したが、航空法の規定に抵触する懸念から断念した。埼玉の場合、実費の燃料費だけを手数料の名目で徴収することとし、国土交通省から「航空運送事業にはあたらない」との見解を得た。ただ、無料のままの隣県との公平性や、有料化で救助要請をためらう人が出ないかといった課題もあり、今後、実際の運用規則を定める埼玉県は頭を悩ませそうだ。(金子智彦)