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 若い世代ほど差別的な発言にさらされていて、親へのカミングアウト率には地域差がある――。日高庸晴・宝塚大教授(社会疫学)の調査で、性的少数者の生きづらさの実態が浮かんだ。回答者は約1万5千人。日高氏によると、性的少数者全般を対象にした調査としては国内最大規模だという。

 調査は昨年7~10月、ライフネット生命保険の委託で実施された。性的少数者向けのインターネットサイトにバナー広告を掲載するなどして、47都道府県の10~94歳から回答を得た。

 「職場や学校で性的少数者について差別的発言を聞いたことがある」という人は72%に達した。10代が77%▽20代が75%▽30代が70%▽40代が69%▽50代以上が64%で、若い世代ほど差別的発言にさらされていた。

 親にカミングアウトしている人は22%にとどまる。カミングアウトは、しなければならないものではない。ただ、日高氏の過去の調査と比較可能な同性愛と両性愛の男性に絞って、親にカミングアウトしている10代の割合の推移をみると、1999年が9%→2005年が11%→14年が19%。この20年近くで2倍以上になった。

 地域差もある。カミングアウト率が最も高いのは関東(山梨県含む)で24%、最も低いのは九州・沖縄と北信越で17%。都市部は高い傾向だが、東京都25%、愛知県24%、大阪府23%に対し、福岡県は16%だった。

 小中高校でいじめられた人は58%。出生時の性別と異なる生き方をする「トランスジェンダー」でも、女性として生きる人の経験率が高いなど、「男らしくない」とみなされた人がいじめられやすい傾向があるという。

 日高氏は「若い世代ほど差別的発言に触れているのは、情報量の増加に伴い偏見やからかいも増えているからではないか。都市部や大企業では取り組みが始まったが、地方や中小企業などにも理解の裾野を広げていく必要がある」と話す。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(二階堂友紀)