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 たくさんのカエルに、様々なポーズをとった地蔵。謎の像が大量に置かれた寺が越前市にある。テーマパークのようにも思えるこの寺。いったいなぜ。

 寺は福井県越前市高瀬1丁目にある宝円寺。1388年に創建されたといわれる曹洞宗の寺院で、戦国武将の前田利家とも深い関わりがあったとされる。境内の墓地には利家の父の石像もまつられている。

 「火の用心」「境内を清潔に」。広大な境内に、アニメの「一休さん」に似たかわいらしい僧侶が注意を呼びかける看板があちこちに置かれている。そして、たくさんの石像も並んでいる。巨大なてんぐが門に飾られ、えんま大王も鎮座している。庭の池にはなぜかボートもあった。伝統ある寺には似つかわしくない光景だらけだ。

 ますます気になる。取材を進めたところ、住職の桑原伯州(のりくに)さん(58)は、児童養護施設「精舎児童学園」=東京都町田市=の施設長を務めていることが分かった。普段は東京にいて、月に2回ほど福井に戻ってきているという。

 桑原さんは1995年ごろに住職を父から継いだ。木が生い茂り、暗い雰囲気だった境内の「改革」を2000年ごろから始めた。「明るいイメージの寺が話題になって、お参りに来てホッとする場所にしたかった」。桑原さんはそう教えてくれた。

 児童養護施設で働くという仕事柄、子どもの虐待問題にも関わることが多い。そこで昨年は「虐待防止地蔵」を建立した。カエルの石像は、亡くなった人が「あの世に無事カエル」よう建立しているため、その数は増え続けている。

 「子どもたちが気軽に遊びに来られるような寺にしたい」。それが桑原さんの思い。境内の様子はこれからも変わり続けるそうだ。(影山遼)