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 東京都の豊洲市場で2014~16年に計9回あった地下水検査のうち、1~8回目と9回目とで検査の手順が一部、違っていたことが分かった。検査は土壌汚染対策の効果を確認するもので、9回目は環境基準の最大79倍の有害物質が検出され、過去8回とは大きく異なる結果だった。都は専門家による会議で、手順の違いが、結果に影響を与えたかどうかを検証してもらう方針だ。

 同市場をめぐる問題について審議する都議会の特別委員会が4日、検査を請け負った全10業者のうち参考人招致に応じた6業者から聴取し、判明した。

 検査は、市場の敷地内にある直径約5センチの井戸201カ所で、いったん井戸内を空にした後、再び出た水を採水し、有害物質の有無や濃度を調べるもの。国が作ったガイドラインに基づいて都が計画書を作り、実施した。

 都や業者によると、土壌汚染対策を終えた14年11月~16年9月にあった1~8回目の検査は、井戸内を空にした翌日か2日後に採水。一方、16年11~12月の9回目は空にした当日に採水していた。

 都によると、ガイドラインにはいつ採水するかは明示されず、都の計画書でも指示しなかった。9回目の担当業者から検査前に質問があり、都が採水時期について「同日と想定している」と回答。検査後に、主な施設下の地下空間にたまった水の排出を予定しており、「スピードを優先した」(担当者)という。

 豊洲市場の地下水検査では、ほぼ環境基準内の結果だった8回目までと9回目の結果が大きく違うため、都の専門家会議が1月末から複数の業者に依頼し、再検査している。結果は今月中旬にも公表される見通しだ。都は9回目までの検査方法について「ガイドラインの範囲内で一貫している」との立場だが、採水時期の違いが結果に与えた影響の有無について、「専門家会議に評価を委ねる」としている。

 9回目の検査では、ほかに、1カ所の井戸で、空にするために採った水を、都の指示でそのまま検体とした事例があったことも分かった。空にした後に必要量の水が得られず代用したが、有害物質は検出されなかったという。

 また、9回目の業者によると、検査した時点で、水没していたり、変形や目詰まりがあったりする井戸が数十カ所あり、検査に手間がかかったという。都は不具合がある井戸の数や、8回目の検査までにこれらの不具合があったかなども確認する。

 地下水検査は、8回目までは、検査開始前の検討作業をした業者や市場の施設を建設した大手ゼネコン中心の共同企業体などが担当。9回目は、横浜市の業者が入札で受注した。(小林恵士