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 経済で強気の見通しが示せなくなるなか、中国の習近平(シーチンピン)指導部が腐心したのは、いかに国民の支持をつなぎとめるかだった。5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)。秋に共産党の最高指導部が入れ替わる党大会を控え、政府も「党の核心」となった習氏への結束を訴えた。

 約1時間40分にわたった李克強(リーコーチアン)首相の政府活動報告で、会場が最も盛り上がったのは政治・経済運営の大方針ではなかった。「携帯電話料金とデータ通信料のうち、省などをまたぐ長距離の上乗せ料金を年内に廃止する」と宣言すると、人民大会堂は約10秒にわたって大きな拍手が起きた。

 国有企業の通信業界に政府が指示できる構図があるとはいえ、政府活動報告で電話料金の値下げにまで言及するのは異例。中国メディアも一斉に速報した。舞台裏では、各社の収入や利益を聞き取るなど周到な準備があった。

 「国民生活が政治の要。優先して改善していく」

 李氏は報告でこう訴え、国民生活の向上をアピールするメニューを例年以上に具体的な数字で並べ立てた。

 新規就業者数の目標は昨年より100万人増やして1100万人以上とし、農村部の1300万人以上が都市部に定住できる。環境対策を強化し、青空を増やす。税が優遇される中小企業の所得上限が20万元(約330万円)引きあげられ、医療保険への財政補助が1人当たり年30元(約500円)増える……。起草担当者はこの日の会見で、「国民に大きなプレゼントだ」と胸を張った。

 国民生活の向上をアピールするのは、それだけ国民が経済成長のメリットを実感できなくなっていることの裏返しでもある。報告によると、昨年の1人あたり可処分所得の増加率は6・3%。2014年の8%、15年の7・4%と年を追うごとに下がり続けている。中国メディアの記者は「政府活動報告に載っていても、マイナス面は報道できない」と明かした。

 習指導部の視線は、2期目に向…

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