安全保障と学術の関係について検討してきた日本学術会議の検討委員会が、軍事研究を禁じる従来方針を継承する新たな声明案をまとめていることがわかった。声明案は、軍事的な安全保障研究について「学術の健全な発展と緊張関係にある」とし、政府による研究者への介入が強まることへの懸念を打ち出す内容になっている。

 声明案は、学術会議が過去2回出した軍事研究を禁じる声明を「戦争協力への反省と、再び同様の事態が生じることへの懸念があった」と説明。科学者が追求すべきことを「学術の健全な発展を通して社会の負託に応えること」と記している。

 そのうえで、学術会議での議論の発端となった防衛装備庁による委託研究について「将来の装備開発が目的」とし、「政府による介入が著しく、学術の健全な発展という見地から問題が多い」と指摘。「むしろ必要なのは、民生分野の研究資金の一層の充実」としている。

 このほか、研究成果は研究者の意図を離れて軍事転用されうるとして慎重な対応を求め、大学や学会などにも自由な研究環境や知的財産などを守る責任から、倫理審査や指針作成などの対応を求めている。

 声明案は、7日に開かれる「安全保障と学術に関する検討委員会」(委員長・杉田敦法政大教授)の最終会合に示される。検討委としては、4月に開催される学術会議の総会に諮りたい考えだ。