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 中国財務省は6日、2017年予算案の国防費が前年実績比7・1%増の1兆225億8100万元(約16兆8千億円)になったと明らかにした。中国国営新華社通信の取材に同省関係者が答える形が採られた。5日に公表した予算案などの報告には、国防費の金額と前年比が記載されていなかった。公表方法を変えた理由は明らかではないが、1日経ってから国営通信社を通じて公表するという経過は異例だ。

 中国の国防費が1兆元を超えるのは初めて。この日の報道では、地方分を加えた額も公表され、前年実績比7%増の1兆443億9700万元だった。

 一方で、5日の報告に記載されなかった国防費の16年の実績は、この日の報道でも明らかにされなかった。前年比から単純計算すると9550億元前後とみられる。

 国防費の増減は、軍事力の増強状況を知るための重要な手がかりだ。中国の軍事力は増強傾向にあり、国防費の動向は周辺国の関心を集めている。今回、財務省は新華社の取材に答えるという形で公表はしたが、政府が恣意(しい)的に判断しうる形式で、情報開示の透明性は後退している。中国外務省の定例会見では、外国メディアから「政府は何を隠しているのか」との質問が出た。(北京=福田直之)