日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」(委員長・杉田敦法政大教授)は7日、大学などの研究機関の軍事研究に否定的な新声明案を了承した。科学者を代表する同会議にとって、軍事研究をめぐる半世紀ぶりの声明で、軍事研究を禁じた過去2回の声明を「継承」した。軍事と民生の研究の区別が難しくなる現実を認めつつ、大学や学術研究への政府の介入の度合いを強める懸念がある軍事研究に疑問を呈する内容だ。

 検討委の議論が始まったのは昨年6月。2015年に始まった防衛装備庁の委託研究制度をめぐる議論がきっかけだった。同制度の予算が16年度の6億円から17年度は110億円に急増し、政府が軍民両用技術研究推進の検討を始めるなど、軍事と研究の距離が近づいている状況がある。67年の声明では日本物理学会に米軍資金が提供されたことが問題になったが、大学への米軍からの助成は続き、ここ9年で8・8億円であることが報道された。

 新声明案では、学術研究が過去の戦争で政府に制約、動員された歴史的経緯をふまえ、学問の自由を重視。防衛装備庁の委託研究制度は研究の進捗(しんちょく)管理など政府の介入の度合いが強く「問題が多い」とした。「相当強い批判」(杉田委員長)という。直接的に禁止という文言は使わなかったが、大学や学会にも倫理審査や指針整備など、慎重な対応を求めた。

 検討委では、通信や土木などの…

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