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 福岡市博多区の安部整形外科で2013年、入院患者ら10人が死亡した火災で、業務上過失致死傷容疑で書類送検された男性院長について、福岡地検が不起訴処分とする方向で検討していることが捜査関係者への取材でわかった。防火設備の不備がなかったとしても、被害は防げなかったと判断したとみられる。

 火災は13年10月11日未明に発生した。福岡県警によると、1階の診察兼リハビリ室から出火し、鉄筋コンクリート地上4階、地下1階の医院内に燃え広がった。1、2階にいた入院患者8人と、3階に住んでいた元院長夫妻の計10人が死亡し、入院患者ら5人が負傷した。

 その後の調べで、院内にある防火扉の一部が当時、閉まらないように固定されるなどし、作動していなかったことが判明。これによって高温の煙が一気に充満して被害が拡大したなどとして、県警は15年2月、院長を書類送検した。

 だが院内の検証や実験を重ねた結果、防火扉が正常に機能していたとしても被害を防ぐことは困難で、院長の過失責任は問えないと地検は判断したとみられる。

 火災の原因は、1階にある医療機器の電源プラグがショートして起きた「トラッキング現象」によるものとされる。