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 菓子パン、ケーキ、炭酸飲料……。現代人は、甘い食べ物や飲み物をとりすぎています。甘さがこれほど容易に手に入る時代は、人類史にありませんでした。せいぜいこの60年でしょう。この変化で、食べ物から生命体に必要なエネルギーを得る代謝回路に狂いが生じ、糖尿病など多くの病気の原因になっている。そう、考えています。

 甘さと一口にいいますが、栄養学では炭水化物から食物繊維を除いた糖質です。なかでも、現代の甘さを支えているのは、精米や精製小麦粉、清涼飲料に含まれている糖類といった「精製された糖質」です。

 人間の代謝回路には、糖を分解するものと、脂肪を分解するものの二つがあります。縄文時代の遺跡から日本人の食事内容を推測した研究では、主食は魚や貝、クルミで、たんぱく質と脂肪が80%、炭水化物が20%。当然、代謝の主役は脂肪を分解する回路です。

 その後、農耕が始まり、炭水化物の摂取が増えました。でも、人体は数千年ではその変化に対応できません。代謝の主役が逆になり、糖を分解する回路が常にフル稼働しています。膵臓(すいぞう)から出るインスリンが、血液に溶けた糖の量を調整します。かつては代謝の脇役だった膵臓が長年の長時間労働で疲れ果て、糖尿病を起こすともいえる。特に精製糖質は、血糖値を短時間で急激に上げます。調整役のインスリンが一気に大量分泌される。これを繰り返す膵臓の疲れは、たまる一方です。

 糖質のやっかいさは、必ずしも強い甘みを伴わないことにもあります。茶わん1杯のご飯150グラムに含まれる糖質は55グラム、角砂糖なら17個。角砂糖を一度に17個も食べられないが、ご飯1杯は食べられます。糖質のワナです。

 糖質は体に欠かせないエネルギ…

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