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 東日本大震災が発生した時、テレビ番組のロケで被災地にいたお笑いコンビ、サンドウィッチマンの伊達みきおさん(42)と富澤たけしさん(42)。震災で親を亡くした子どもたちや、震災後に生まれた自分の子どもへの思いについて語ってもらいました。

 伊達 震災の時は、宮城県気仙沼市の魚市場にいました。海が目の前にあり、揺れがおさまると番組スタッフの指示で高台に避難し、そこで沖から迫ってきた津波が街をのみ込む様子を見ました。同じ場所に避難した地元の人たちは、自分の家が津波にのまれる様子を悲鳴も上げずにぼうぜんと見ていました。

 富澤 自分たちもそうでしたが、現実として受け入れられなかった。「映画でも見ているんじゃないか」、「何これ」と。妻は翌月に出産を控えていた。地震の揺れがおさまった直後に電話がつながり、お互いの無事を確認できましたが、その後は電話が全くつながらなくなってしまった。妻は、気仙沼が火の海になっている様子をテレビで見て、「死んでいるのではないか」と思ったそうです。

 伊達 僕は震災の翌年に子どもが生まれました。すると、震災で子どもを亡くした親のつらさをより感じるようになりました。

 仙台市に住んでいた同級生は、子どもと、妊娠中だった奥さんが津波に流され、家族の中で自分だけ生き残った。そいつは胸まで海につかって長い棒を使って自分の子どもを捜し出し、口の中が泥だらけなのを洗ってあげて。奥さんは2週間後に2キロくらい離れたところで発見された。その後、同級生は仮設住宅で1人でがんばっていたんですけど、やっぱり耐えられなかったんでしょうね。奥さんを火葬した日の1年後に、「子どもに会いに行ってくる」という遺書を残して自殺しました。

 そいつの気持ちがわかるんです。俺でも、たぶんそうするかもしれない。同級生のことは別にニュースになっていることでもないんですけど、被災地では、そういうことがいっぱいあるんだろうと思います。

 富澤 被災地の人と、何げなくしゃべっていると、話の途中で、津波で子どもを亡くしたり、行方不明だったりする人だってわかる時があります。そんな時、いまだになんと声をかけたらいいのか、わからないんです。

 伊達 震災直後に「東北魂義援金」を設立しました。当初は、被災者全体の支援のために募っていましたが、2人がともに親になった後、お金を一番必要としているのは誰だろうと話し合い、震災で親を亡くした子どもたちのために使おうと決めました。こう決めたのは、自分たち自身が親になったことがとても大きいと思います。被災地でしゃべっていて、「お父さんもお母さんもいなくなっちゃったから」という子どもがいました。大人になるまでには絶対にお金は必要ですから、その協力ができればと思います。

 被災地の子どもたちが強い大人になってくれるといいなと、思っています。僕が通っていた石巻市の小学校は1階の天井まで水がきた。震災後に行ったら、「1階の廊下に遺体が何体も流されてきて、小学生たちは避難所の体育館に行く際に遺体を見た」と先生から聞きました。「子どもたちは見なくていいものを見ているんだ」と。ああいう災害を経験した子どもたちは、乗り越えていけば、すごく強くて、すごく優しくなると思うんですよね。

 震災では、子どもの力はすごいなあとも感じました。

 富澤 停電でろうそくをつけたら……。

 伊達 うちのおいっ子の話ね。当時3歳くらいだったんですが、震災直後に仙台市の実家で、停電しているので大人がろうそくをつけた。すると、おいっ子が誕生日ケーキのろうそくと間違えて消すんですよ。「なんで消すのよ」って大人がまたつけると、また「フーッ!」と消して、「ハッピーバースデー!」と(笑)。

 余震でみんながピリピリしている中、そういうことがあってちょっとなごむみたいな。あれはすごく癒やされたって親が言っていました。

 富澤 長男は今5歳ですが、東日本大震災を伝えていこうと思っています。この前、テレビをちょっと見せようとしたんですが、まだそんなにわかっていない感じ。でも、次に津波が起きた時、子どもと一緒にいるかわからない。津波が起きたら1人で逃げろと。パパも逃げるから。後で会おう。大丈夫だから、と伝えていこうと思っています。

 伊達 津波の時は家族バラバラに逃げろという「津波てんでんこ」だね。うちは娘ですが、フリーアナウンサーの妻が、岩手県大槌町で3月11日の追悼式の司会を去年からしていて、娘も連れて行っています。すると、娘が「津波でたくさんの人が流されちゃったんだよね」と泣くんですって。普段も福島などに旅行に連れて行き、震災時の様子を説明しています。「この海が、今はここにあるけれども、どーんとふくらんできて、おうちが流されて、いっぱい死んじゃったんだよ」と。5歳ながらにちょっとは震災の怖さや知ることの大切さを感じてくれているのかなと思います。(聞き手・長富由希子)

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 〈サンドウィッチマン〉 伊達(だて)みきおさんと、富澤(とみざわ)たけしさんが1998年に結成。ともに74年生まれで、仙台市出身。仙台商業高のラグビー部で出会った。若手漫才の日本一を競う「M―1グランプリ」で2007年に優勝。「東北魂義援金」でこれまでに約4億円を集め、被災自治体に寄付。チャリティーライブなども続けている。

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東北魂義援金の振込先

 三菱東京UFJ銀行 目黒支店 普通預金 口座番号0133179 口座名義は「東北魂義援金(トウホクダマシイギエンキン)」。振込手数料は自己負担。振り込まれた義援金は、宮城、福島、岩手の震災孤児・遺児支援のために各県庁に届けられる