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 東北の沿岸部で、新しいまちが姿を現しつつある。広大な敷地に、災害公営住宅が立ち並ぶ。一方で、新たに造成した宅地の空洞化や、入居者の高齢化も明らかになってきた。復興が進むほど、新たな課題が重くのしかかるジレンマに、被災自治体は苦しむ。

 宮城県気仙沼市の南郷地区に、災害公営住宅3棟が並ぶ。10階建てと6階建てで計165戸。3棟の高齢化率は5割を超える。

 2015年1月に入居が始まった。自治会長の藤原武寛さん(51)によると、2年間で約10人の高齢者が亡くなった。このうち3人は、独り暮らしの部屋で倒れたり亡くなったりした状態で見つかった。「6、7年もたてば住民はどんどん減る。若い人が代わりに入ってくれるだろうか」と藤原さんは不安を抱く。

 津波に襲われた被災地では、高台や内陸への「集団移転」と、浸水した市街地の「かさ上げ」によって宅地を造成している。経済事情が苦しくて自宅の再建ができない被災者には、自治体が「災害公営住宅」を建設する。この三つの施策が住まいの復興の柱だ。

 東北3県では、集団移転とかさ上げを合わせた宅地造成が1万9385区画、災害公営住宅は2万9684戸が計画されている。3月末までに、それぞれ69%、83%が完成する。

 気仙沼市は2087戸の災害公営住宅を計画し、5月には全戸が完成する。市は2年前に詳しくシミュレーションをした。ようやく入居できた被災者も、10年後に27%、20年後には51%の世帯がいなくなる。死亡や施設に移る人などで、20年で600戸近くが「世帯消滅」すると見ている。

 空き室になれば、一般の低所得者向けに募集をかける。古い市営住宅から移ってもらうことも選択肢だ。それでも24年ごろには埋まらなくなるとみる。

 市営住宅の戸数は震災前の5倍…

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