約10万人が亡くなった東京大空襲から72年となった10日、東京都慰霊堂(墨田区)で都慰霊協会主催の法要があった。秋篠宮ご夫妻や小池百合子都知事、遺族ら約600人が参列し、犠牲者を悼んだ。

 僧侶らによる読経の後、小池知事はあいさつで、「東京は戦災と震災(関東大震災)で2度、焦土と化した。記憶を決して風化させることのないよう、後の世代にしっかりと受け継ぐ」と述べた。

 慰霊堂では、朝から追悼に訪れた人たちが列をつくった。墨田区の田中英雄さん(81)は、家族と疎開せずに都内に残っていた父を空襲で失った。「いかに悲惨な出来事が起こったか、若い人たちも思い起こす日にしてほしい」。祖父を亡くした江戸川区の平野和子さん(80)は「逃げる途中、墨田区内で亡くなったと聞いています。おじいちゃんに会いたいな、話したいなと思い、お参りに来ました」と話した。(伊藤あずさ)

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 〈東京大空襲〉 1945年3月10日未明、米軍のB29爆撃機約300機が東京の上空から33万発の焼夷(しょうい)弾を投下した。下町一帯を激しい炎が襲い、犠牲者は推定10万人。米軍の絨毯(じゅうたん)爆撃の始まりで、これ以降、名古屋、大阪、神戸などが大規模な空襲を受けた。