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 東京電力福島第一原発事故で自粛が続いていた原発20キロ圏内での漁業の試験操業が今月解禁され、13日未明から福島県相馬沖などでコウナゴ漁が再開された。

 再開されたのは原発10キロ圏の外側まで。福島県浪江町の請戸(うけど)漁港から漁に出ていた9隻の小型船は、午前10時ごろに請戸漁港に戻ってきた。銀色に光るコウナゴで埋まったかごを次々と水揚げする漁師の今井亨夫(みちお)さん(56)は「今までを思えば一歩も二歩も前進だ」と笑みを見せた。

 請戸漁港は、津波で壊れた荷さばきや製氷の施設が復旧していない。コウナゴは直ちに北へ約40キロ離れた相馬市の松川浦漁港にトラックで運ばれ、放射性物質検査の後、競りにかかる。

 安全性を確認したうえで小規模な操業と販売で市場の反応を探る福島沖の試験操業は、段階的に漁場を拡大してきた。市場での価格や消費者の反応などが、本格操業への課題として残る。(本田雅和)