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 豚骨ラーメンと並んで福岡の人々に親しまれている、うどん。中でも地元の人々が愛してやまない、定番のトッピングがある。決して全国区とはいえない食べ方だが、なぜ福岡で生まれ、根付いたのか。

 福岡市博多区にある1882年創業の「かろのうろん」。取材に訪れた際、6人の客のうち4人が注文したのが「ごぼ天」だ。

 大きめに切ったゴボウを揚げたシンプルな天ぷらがうどんの上にのる。同店の一番人気で、多い日は1日約300食出るという。

 九州や関東に展開するチェーン店「ウエスト」(福岡市)でも福岡では常に人気1~2位。広報担当は「ごぼ天をベースに肉や月見を入れる人も多い。あって当たり前のもの」。えび天や肉うどんは500円台だが、ごぼ天うどんは390円(九州各店)と値段も手頃だ。

 福岡のうどんの歴史は古い。鎌倉時代、宋で学んだ聖一国師が製粉技術を持ち帰ったとされ、博多区の承天寺には「饂飩(うどん)蕎麦(そば)発祥之地」という碑が建つ。

 だがゴボウは福岡が主産地という訳ではない。市内にある複数の老舗やチェーン店に聞いても産地は青森や宮崎、鹿児島のほか国外にも及ぶが、福岡の名は出てこない。

 なぜこんなに親しまれているのか。

 福岡市麺類商工協同組合や市博物館によると、その発祥は1897年ごろに天神に開いた「乙(おと)ちゃんうどん」とされる。当時の人気店で、煮付けた厚切りのゴボウを揚げた具が評判になったという。

 店は戦時下の食糧統制で小麦粉…

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