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 iPS細胞から作った目の組織を、世界で初めて患者に移植した2014年の手術について、理化学研究所などのチームは16日、術後1年間、がん化などの問題はなく、「安全性を確認した」とする論文を米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。手術から2年以上たった現在も経過は良好という。

 手術は失明の恐れのある難病「加齢黄斑変性」の70代女性に実施。女性の細胞から作ったiPS細胞を網膜の組織に変え、右目に移植した。拒絶反応や移植組織が異常に増えてがん化するなどの問題はなかった。

 女性は術前、注射での治療を繰り返しても視力が低下していた。術後は一度も注射をしていないが、視力は維持されているという。

 2人目の移植も準備していたが、移植組織で遺伝子の欠損が見つかり、手術を見送ったことも報告した。(合田禄)