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 クラシックの名門「上野学園大学」(東京都台東区、石橋香苗理事長)が、教授の横山幸雄さん(46)を13日付で解雇したことがわかった。横山さんは昨年8月、同大を運営する学校法人「上野学園」の経営陣を、背任の疑いで東京地検に刑事告発している。横山さんは1990年のショパン国際ピアノコンクールで3位入賞し、脚光を浴びた人気ピアニスト。バン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さんも同校で横山さんに師事した。

 昨年4月、当時教員だった指揮者の下野竜也さんらと「新しい上野学園を作る会」をたちあげ、経営の健全化を訴えていた。昨年末には第三者委員会による調査報告書で、前理事長に支払われた報酬が「財務状況をさらに悪化させる結果となった」ことや、ファミリー企業への業務委託金額が不自然であることなどが指摘された。同学園では、創設当初から石橋家による同族経営が続いている。

 同学園は、代理人を通じ「機密情報をSNSで漏洩(ろうえい)し、業務を妨害するなどの行為があった。安心して勉学できる環境を確保するため、やむなく解雇処分とした。第三者委員会の指摘を受け、すでに経営改善を進めている」としている。横山さんは地位保全の仮処分を申請する意向。「一部の経営陣のためではなく、音楽の未来を担う教員や学生のための運営を取り戻すまで闘う」と話している。(編集委員・吉田純子)