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 昨年末時点の全国の暴力団勢力は約3万9100人で、統計がある1958年以降、初めて4万人を割った。前年より約7800人減り、12年連続の減少。警察庁が16日発表した。

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 「条例で飯が食えなくなった」。関東地方の暴力団幹部は、市民や企業からの利益供与を禁じた暴力団排除条例の影響が大きいと話す。

 2011年までに全都道府県で暴排条例が施行された。企業や店がみかじめ料(用心棒代)を払わなくなり、組が関係する会社は取引先をなくしていったという。「携帯電話を契約できないし、不動産も借りられない。ヤクザのメリットはない」。ある指定暴力団の60代の元組長も「シノギ(資金源)がない」と2年前に引退した。20年前は月に数百万円のみかじめ料を集めたが、最近はほぼゼロになっていたという。

 旧来のシノギが断たれる中、暴力団は新たな資金源を探す。警察庁によると、営利目的で覚醒剤を扱ったとして摘発された組員千人あたりの人数は2007年の3・7人から16年の6・5人と、この10年で大きく増えているという。山口組系の元幹部は「シノギが細り、クスリ(薬物)に手を出す者が増えた」と内情を明かす。

 暴力団は金融、建設など普通の会社を背後から操る形でも資金を得ている。組員ではない人物に表向きの仕事を任せるなどして摘発を逃れる対策を取っているという。別の組幹部は「犯罪に手を染める者が減ったわけではない」と話す。(高田正幸)