[PR]

 失速ぶりが鮮明になった4年目の「官製春闘」。政権の要請を推進力とする賃上げに息切れ感が漂い、賃上げで消費を刺激して「経済の好循環」につなげるシナリオは揺らいでいる。一方、今春闘では、労使で「働き方改革」を模索する動きが目立った。

 安倍晋三首相を議長とする政府の「働き方改革実現会議」が昨年9月に発足。広告大手・電通の新入社員の過労自殺事件を受けて長時間労働の是正に対する社会的関心も高まり、「働き方改革」への労使の関心は一気に高まった。今春闘の協議では、賃上げと並ぶ主要テーマに急浮上した。

 「多くの組合で長時間労働を是正する制度の導入が進んでいる」。電機連合の野中孝泰委員長はこの日の記者会見で話した。電機連合と経営側は今月、労使が協力して職場環境を見直し、働き方改革の実現に取り組むとする共同宣言をまとめた。

 終業から始業の間に一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル規制」を導入しているNECは今春闘で、休息時間を10時間から11時間に延ばすことを決めた。「終電近くまで働く社員の健康確保を第一に考えた」(広報)という。

 牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングスの労使は13日、11時間のインターバル規制を実験的に始めることで合意した。「ワンオペ」と呼ばれる従業員1人での深夜営業が過酷だと批判され、対策を考えてきたという。

 正社員と非正社員の待遇格差を是正する「同一労働同一賃金」に向け、政府が昨年末にガイドライン(指針)案をまとめるなか、労使も動き出した。

 NTTグループは、正社員だけに支給している食事補助を廃止し、フルタイムの契約社員を支給対象に加えた手当を新設。4月から正社員・非正社員ともに3500円を支給するように改める。

 KDDIの労組は今春闘で、昨年は一律5万円だった契約社員の一時金(ボーナス)を、正社員と同じ月給の3カ月分に引き上げるよう要求した。経営側は「ベアを続けるなど、契約社員の処遇改善に取り組んでいる」ことを理由に要求は認めなかったが、契約社員の支給額を一律10万円に引き上げると回答し、すでに妥結した。

 政府に背中を押された形で始まった「働き方改革」を、労使が主体的に取り組む民間主導の動きに変えていけるかどうかが問われている。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

初月無料につき月初のお申し込みがお得

980円で月300本まで読めるシンプルコースはこちら