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 国と東京電力は、ともに津波を予見できた――。原発事故後、福島県から群馬県に避難した住民たちが起こした訴訟で、前橋地裁は17日、国と東電の責任を認める初めての判断を示した。震災から6年。全国で避難生活を続ける住民に力を与える「画期的な判決」となったが、半数以上の原告の賠償請求は棄却され、悔しがる原告もいた。

 判決後、群馬県教育会館で開かれた原告団集会では、全国各地の弁護士たちから喜びの声が上がった。

 「全国から注目されているなか、国の責任を認めたこの判決の意義は大きい。おめでとうございます」

 支援者や原告らでほぼ満員となった会場から、拍手が次々とわき起こった。

 ただ、約15億円の請求に対して、認められたのは約3800万円。慰謝料の大半は、国の指針に基づいて東電から払われてきた賠償金により、相殺されると判断されたためだ。素直に喜べない原告も多く、集会で登壇した3人の原告からは、「不本意だ」「弱い立場の声は聞いてもらえない」「額については再度考えたい」といった後ろ向きな言葉が続いた。

 集会でじっと目をつぶっていた松田(まつた)健宏(たけひろ)さん(37)は、福島県郡山市から群馬県高崎市に避難してきた。避難指示区域には含まれていない自主避難者だ。

 震災から約1年後、家族で高崎市へ避難することを決めた。警備会社を辞め、看護師の妻も病院を退職した。松田さんはアルバイトをしながら看護学校に通い、看護師をめざした。妻は新しい職場になじめず、体調を崩して仕事を辞めた。松田さんも試験が間近に迫ってバイトを辞めたため、夫婦で多い時は20万円ほどあった収入が昨年11月ごろからゼロになった。

 心ない言葉も浴びせられた。避難してから数日後、自宅前を通りかかった子どもが、福島ナンバーの車を見て「原発が来てる」と叫んだ。2014年冬には、車のフロントガラスに「福島に帰れ」と書かれた紙が挟まっていたという。

 自主避難を理由に東電による賠償はほとんどない。判決は、松田さん夫妻が近隣住民との密接な人間関係や長年勤めた仕事を失い、避難先での人間関係で精神的苦痛を受けたなどと認めた。ただ、慰謝料は30万円ずつが相当とされた。長男の請求は棄却された。「苦労してきた6年間はこんなものだったのか」と悔しがった。(角詠之)

■各地の原告団が評価「自信もら…

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