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 名古屋大学の研究グループは、植物の根の一部が「空腹」状態を認識すると、葉から別の根に向けて不足分の栄養を取り込むよう指令するホルモンを発見した。効率良く栄養を取り込む農薬の開発につながるという。21日、英科学誌「ネイチャー・プランツ」に発表した。

 植物が根から取り込み栄養にしている窒素は、土の中では均一に存在していない。根は自分で動けないので、窒素が多くある場所からより多く栄養を取り込む仕組みを持っている。

 研究グループの松林嘉克教授らは2014年、根が窒素不足になると、「CEP」というホルモンを分泌し、葉に栄養不足を伝えることを発見している。

 今回の研究では、CEPによって空腹状態を感知した葉が、「CEPD」というホルモンを根に送り、別の根から多めに栄養を取るよう指令を出していることが分かった。CEPDは、根が窒素の豊富な場所に生えていると、窒素を取り込む輸送体となるたんぱく質を多く作り、他の根で不足した窒素の取り込みを補っていたこともつきとめた。

 松林教授は「足りない分を反対側の根から取り込む性質は根だけで起こると考えられていた。葉を介して調節されていることが分かったのは大きなインパクト」と話す。今後、葉にかけるだけで効率よく根から窒素を取り込んで成長を促す薬剤の開発が可能になるという。(月舘彩子)

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