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 トランプ米大統領就任後初の主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、「米国第一」を掲げるトランプ政権に大きく揺さぶられた。これまで共同声明に盛り込まれていた「保護主義に対抗」をめぐり議論は紛糾、米国への懸念が相次いだ。金融危機後、世界経済の安定に向け協調してきたG20という枠組みが問われる場となった。

 G20初日の17日夕、温泉地として知られるドイツ・バーデンバーデンの洋館に設けられた会議場。初参加のムニューシン米財務長官が、他国の参加者と談笑していた。その後の討議で、和やかな雰囲気は一変する。

 初日は世界経済がテーマだったが、多くの時間を貿易についての議論に割いた。「反自由貿易」を掲げて当選したトランプ氏が、保護主義的な政策を打ち出しているからだ。

 G20前の共同声明案では、昨年の声明に盛り込まれた「あらゆる形態の保護主義に対抗する」との文章が消えていた。米国がこの文言を削り、「公正で開かれた貿易」という文言を入れるよう要求。それを根拠に、対米貿易黒字国の日本やメキシコなどに、自国にとって「公正な」貿易関係を迫ろうというトランプ政権の意図が透ける。

 「公正で開かれた貿易が必要だ」。G20の議論でも、ムニューシン氏はそう原稿を読み上げながら、米国の立場をくり返した。

 これに対し、「保護主義は良くない」「自由貿易を守るべきだ」などと大半の国から発言が相次いだ。欧州の複数の財務相は「ルールに基づいた貿易」を主張。世界貿易機関(WTO)のルールを無視する姿勢を示したトランプ政権を意識した発言とみられる。

 中国など新興国からも異論が出た。2001年のWTO加盟後に世界一の輸出大国になった中国をはじめ、新興国にとって自由貿易は、成長押し上げの原動力だからだ。中国の肖捷(シアオチエ)財務相はG20に合わせて開かれた討論会で、「世界レベルで成長が低迷するなか、いかなる国も独りよがりはできない。G20は揺らぐことなく保護主義に反対するべきだ」と訴えた。

 しかし、米国は譲らず、声明から「反保護主義」の表現は消えた。ドイツのショイブレ財務相はムニューシン氏との会談後の17日、地元メディアに対し、「過去の声明の表現を残すか、少し変えるかまだ議論は残っている。だが、合意できると信じている」と話した。7月のG20首脳会議で成果を出したいドイツとしては米国の立場もむげにできない。

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