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 東京都の豊洲市場の用地取得をめぐり、東京ガスと交渉にあたったキーパーソンの浜渦武生・元都副知事(69)が19日、都議会百条委員会に証人として出席した。土壌汚染対策費がふくらんだ一因と指摘される東ガスとの2者間合意は「知らない」とし、混乱を招いた責任については全面的に否定した。

 浜渦氏は2000年10月に東ガスとの交渉を始めた際、土地価格などについて「水面下でやりましょう」と話したとの記録が都側に残っている。百条委では、浜渦氏が「水面下」の交渉についてどこまで明らかにするかが焦点だった。

 百条委で浜渦氏は「水面下で」との言葉は東ガスから出たと説明。「交渉は先方の意向を忖度(そんたく)しないとうまくいかない。水面下で結構ですと申し上げた」と語った。東ガスの株主などを意識し、表の会議ではなく個別に折衝するという意味で、「悪い言葉とは思っていない」とした。

 ただ、自身が東ガスと豊洲移転の基本合意に至った直後、都の部長と東ガスが交わした水面下の2者間合意については「全く知らない」「(役人が)勝手なことをしてくれた」と述べた。2者間合意は東ガスの土壌汚染対策の範囲を限定する内容だが、浜渦氏は「東ガスがきれいにした土地でなければ買えない」と伝えたと説明した。

 一方で、土地取得へ向けた根回しの一端を明らかにした。00年に東ガスとの交渉担当副知事になった後、東ガス社長に近いとされた故佐藤信二・元通商産業相の元を訪れたり、豊洲の地元の江東区の区長らに「築地のように(にぎわう)場外市場があるようなものをつくっては」と提案したりしたという。

 また、交渉相手だった東ガス幹部の出身大などを調べ、同窓生を探してアプローチしたこともあったという。ただ「政治的圧力があったのでは」との指摘には「東ガスに失礼。政治的な圧力とかそういうことではない」と話した。

 浜渦氏の指示で都の理事が00年、東ガス側に「知事が『安全宣言』をしないと地価が下がるのでは」などと伝えたとされる問題については、「承知していない」と語った。

 都議会百条委は20日には、石原慎太郎元都知事の証人喚問を行う。当初は3時間の予定だったが、石原氏の体調などを考慮し、1時間に短縮された。