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 東京都の豊洲市場の地下水から、再び環境基準を大きく超す有害物質が検出された。「施設に影響はなく安全」と専門家は指摘するが、食品市場として信頼は得られるのか。築地市場からの移転を延期している小池百合子・東京都知事の判断に大きな影響を与える。

 「結果として汚染は残っているということ」。豊洲市場の1月公表の地下水検査結果が確定し、専門家会議の平田健正座長は、環境基準以下を目指していた土壌汚染処理が達成できなかったことを認めた。

 2014年から約2年、ほぼ環境基準内だった検出値が急上昇した原因について、専門家会議は都の「地下水管理システム」が昨年8月に稼働を始めた影響を挙げた。土壌汚染対策の柱の一つで、敷地内に58カ所ある井戸でくみ上げて排水し、地下水位を一定に保つ。稼働以降に9回目の検査があったため、「土壌に一部残っていたベンゼンなどが地下水汚染を生じさせ、システム稼働によって移動した可能性が高い」との見解を示した。1~8回目と9回目で明らかになった採水時期の違いも「影響はなかった」と判断した。

 環境基準の100倍のベンゼンをどう見ればいいのか。

 ベンゼンの環境基準は、地下水の場合、体重50キロの人が70年間、毎日2リットル飲み続けると10万人当たり1人ががんになる確率が上がるとされる値だ。豊洲市場の場合、地下水を飲用や洗浄に使うことはなく、地下と食品を扱う建物はコンクリートで隔てられている。平田座長は「何回も話しているが、市場施設の地上部分は都内の他の場所と変わらない」と答え、科学的には安全だとの見方を示した。

 専門家会議は今後、管理システムで地下水をくみ上げることで、浄化策を検討する。当初、4月までにまとめる予定だった報告書は「少なくとも2カ月は遅れる」と話した。

 外部の専門家はどう見るのか。…

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