[PR]

 19日に石川県能美市で開かれた全日本競歩能美大会で、観戦中に意識を失ったスペイン人コーチが救命処置で一命を取り留める一幕があった。日本競歩界にとってかけがえのない人物を、日本陸上連盟の医療体制が救った。

 倒れたのは、1980年モスクワ五輪の銀メダリストでスペイン陸連の上級コーチ、ジョルディ・リョパルトさん(64)。日本陸連の今村文男五輪強化コーチが現役時代の90年代にリョパルトさんに弟子入りしてから、日本の選手たちはずっと歩型指導を受けてきた。この日も指導のために招かれ、沿道で観戦中だった。

 意識を失ったリョパルトさんを、そばにいた今村コーチらが心臓マッサージ。AED(自動体外式除細動器)がすぐに運ばれた。会場にいた日本陸連の医事委員長や消防、警察も駆け付けた。この大会で優勝したレース中の松永大介選手(東洋大)もこの事態に気がついたという。今村氏は手を握ってリョパルトさんに声をかけ続けた。心肺停止状態だったリョパルトさんは意識を取り戻し、そのまま病院へ運ばれた。

 日本陸連はマラソンや競歩の大会などで、AED設置を義務づけている。12日の名古屋ウィメンズマラソンでは3度、AEDを使う場面があった。09年東京マラソンでは、タレントの松村邦洋さんがAEDによって心肺停止から蘇生したこともあった。

 日本陸連の横川浩会長は「素早い対処で何事もなくて良かった」と胸をなで下ろしていた。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(増田創至)