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 和歌山生まれの世界的な博物学者・南方熊楠(みなかたくまぐす、1867~1941)の業績を紹介する南方熊楠記念館(白浜町)の新館がオープンしたことを記念し、作家の荒俣宏さんが20日、同町内で「私の愛する熊楠」と題して講演した。

 博物学者でもある荒俣さんは「南方熊楠―奇想天外の巨人」(平凡社)など熊楠に関する著書があり、デビュー前から研究などでたびたび県を訪問。現在は同記念館の名誉館長も務めている。

 講演で荒俣さんは、半世紀前に熊楠の娘婿・岡本清造さんらが奔走し、建設費の大半が寄付金で博物館が開設された経緯を説明。自筆の手紙や標本など多くの実物資料が保存されている点について「将来の日本に役立つと思って熊楠自身が残し、死後も関係者が必死で遺稿を守り散逸を防いだ」と高く評価した。

 また、20~30代を中心に英科学誌「ネイチャー」に50本以上の英語論文を投稿していたことなど、少年期から青年期についての足跡も紹介。博物学から民俗学、植物学など幅広い分野に熊楠が関心を持った理由について「生命と宇宙との関係について何とか知ろうとしたのではないか」との見方を示した。(白木琢歩)